海のまにまに

社会人三年目看護師の青海波の備忘録。転職3回、辞めたい、やる気ない看護師のための生存戦略について書きます。ついったー→@M3TrEpFEYj8F0ac

私が新卒で看護師を辞めたくなった理由

 こんばんは、青海波です。

 

bluewaveocean.hatenablog.com

 

 上記の前回の記事で、私は看護師・保健師免許保持者だと自己紹介しましたが、実は、看護師に到底向いているとは思えません(笑)。

 職歴を見て下さればわかる通り、どの職場も全て一年もしないうちに退職しております。正直、今の職場も、一年続けられるかわかりません。(今は続けるつもりでおりますけどね)

 私は、新卒の病院をわずか半年で退職しました。

 しかも、そのうちの1か月は、適応障害で休職しています。

 二番目の病院も、身体を壊して退職しました。

 

 その原因は、大きく考えて、

  1. 体力と身長がなかった
  2. 他人の行動を真似することが苦手だった
  3. 他人の言葉をそのまま受け取ってしまった

 だと分類できます。

 

 今回は、それについて、お話しさせて頂きましょう。

 

1.体力と身長がなかった

 突然ですが、私には体力と身長がありません。

 中学・高校時代、ひいては大学時代にかけて、入った部活やサークルは、全て文化系でした。

 また、身長も、いつもクラスの背の順では前の方でしたし、誰かと話す時も、相手を見上げることの方が多かったです。

 それが看護師としての業務にどう影響するのか、と申しますと、

  • 身体介助において、患者の身体を支えることが出来ない
  • そもそもベッドメーキングを行うところから苦労する
  • 不規則なシフトに耐えられない

というところです。

 

 患者さんの身体介助、と言いますと、必ずと言っていいほど出てくる文言が、

「力なんて無くても、ボディメカニクス等の技術を使えば、介助者に負担なく介助出来る筈!」

という言葉ですが、断言しましょう。

 

力は正義です。筋肉も正義です。

 

 特に療養型病院で働いていた頃は、何度もこの事実に直面しました。

 患者さんの体位変換も、ベッドから車いすへの移乗の介助も、更衣の介助も、入浴介助も、オムツ交換に至るまで、結局は力が全てです。

 力のない私にとっては、どの技術もヘタクソでした。

 体位変換は患者さんを思った通りの位置に移動させることが出来ず、移乗介助も、いつも倒れそうになりながら行っていました。衣服交換も、いつもシワを綺麗に伸ばせず、入浴介助も体格の大きい患者さんを介助する時は半ば命がけ、オムツ交換も、オムツを患者さんのお尻の下から引き出したり整えたりすることが凄く苦手でした……。

 もちろん、中には小柄な体格であっても、上手く出来ていた人はいました。しかし、それは何年も勤めたベテランの方であり、私のような若輩者が到底及ぶような境地ではございません。

 それに、そのようなスキルを持っている方でさえ、ことごとく腰痛持ちでした。間違いなく、身体介助が介助者の身体に負担がかかっていました。

 

 また、ベッドメーキングも、とても苦手でした。

 体格が小柄なため、自分の身長より大きいシーツを扱うことが出来ませんでした。

 また、ベッド全体を俯瞰することが難しいため、いつも何処か曲がっていました(笑)

 

 基本的な看護技術でこのような体たらくなのに、体力自体もないため、変則的な勤務や積み重なる残業・時間外の研修会などにも慣れることが出来ず、休日はいつも寝て終わっていました。

 

2.他人の行動を真似することが苦手だった

 

 学生時代は看護技術を習得するために、幾度となく技術演習の時間がありました。

 たいていは授業の初めに先生が一回お手本を見せてくれて、それから自分達でもやってみる、という流れなのですが、他の学生達はなんとなくでも大まかな流れは掴めていたのに対し、私は大まかな流れさえも掴めず、何処から始めていいのかもわからず、いつも出来ていませんでした。

 その状態で自分から動いてみても、それを見ていた先生や他の学生から、「そんなに乱暴じゃ患者さんがかわいそう」、「もっと丁寧に出来ないの?」などと言われる始末……。

 自分では丁寧にやっているつもりなのですが、他の人から見ればそう見えてしまうようでした……。

 

 図解入りのプリントを何度も見て、自分でも何度も練習して、ひとつひとつ動きをリアルに自分の目線で理解してからでないと、動きが頭にインプットされず、他の学生達に比べ、本当に理解が遅かったと思います。

 

 思えば、小学生時代から、運動会で行うダンスを覚えることがとても苦手で、本番でも隣で踊っている子を見ながら踊っていたり、中学生になってもダンスの授業についていけていなかったり、とにかく『他人の動きを見てなんとなくでも真似る』という能力が著しく低かったような気がします。

 

 そのおかげで、現場に入ってからも技術を覚えることが圧倒的に遅く、同期から大幅に遅れを取っていました。

 

3.他人の言葉をそのまま受け取ってしまった

 

 思えば、この要因が一番大きかったような気がします。

 

 私の母親は、福祉も他の職種も経験してきた人なのですが、

「医療や福祉の現場で働いている人間は、患者や利用者には優しいけれど、一緒に働いている職員に対しては驚く程厳しく、冷たい」

 と言っていました。

 もちろん、全ての方がこれに当てはまる訳ではありません。

 

 しかし、私の今までの職場では(というか今の職場でも、ですが)、他人の命や生活を扱う以上、責任感が重く、真面目であるが故に、失敗したり少しでもヘマをした同僚に対して、必要以上に責めて追い詰めるような言動が多いように感じました。

 

 そんな方々が一様に口にする言葉が、

 

「そんなことをしたら患者さんがかわいそう」

「患者さんに対して申し訳ないと思わないの」

 

 などという、とにかく

 

「患者さんが」

 

 というキーワードが頭につく言葉です。

 

 確かに、我々看護師は、患者さんの命や身体、生活を守る存在です。

 しかし、そんなことは、素直な新人ほど、身に染みてわかっています。むしろ、だからこそ、この職業を自分の仕事として選んだのです。

 かく言う私も、少なくとも学生時代は、病気を抱える患者さんのために、自分の身を粉にして働くつもりでいました。 

 

 ですから、これらの言葉達には、とても心を抉られました。

 ただでさえ、技術に失敗して患者さんに申し訳なく思っているところを、更に叩きのめされました。

 当時は親元を離れ、一人で暮らしていたため、これらの言葉達を真に受けてしまい、

「自分はダメな人間だ」

「こんな風に患者さんを踏み台にするなんて、自分は無慈悲で人間味のない、本当にひどい奴だ」

「ここまで先輩方を怒らせるなんて、相当自分は出来ていない方なのだろう。先輩方にも迷惑をかけてしまって申し訳ない」

と、心の底から思い込んでしまいました。

 

 今考えれば、非常に素直過ぎたのだと思います。

 

 失敗は誰でもするものです。

 働き始めの、緊張し過ぎていつも張り詰めて吐きそうになっている新卒看護師なら、なおさらです。

 むしろ、それをカバーするために先輩方が指導者として一日張り付いてくださるのです。

 冷静に考えれば当たり前のことなのですが、当時は患者さんにも先輩方にも迷惑をかける自分が申し訳なさ過ぎて、また、明らかに同期からも遅れを取っている状態も情けなさ過ぎて、親に相談することも出来ず、全てを一人で抱え込んでしまっていました。

 

 これら3つの要因から、私はずっと職場を転々としてきました。

 

 今は実家に戻り、冷静に自分の状態を把握し、これらの要因があまり目立たない職場を選び、就職出来ていますが、特に3番目の要因が自分の中でぶり返さないようにするために、毎日なるべく自分を保てるように、定期的に職場のことを家族に話し、自責感ばかり募らせるのではなく、客観的に相手の言った言葉を受け止められるように努めています。

 

 今、新卒看護師の方々は、どの方も学生時代とは違う辛さを強く感じる時期ではあると思いますが、どうか自分のことを責め過ぎず、自分の身体能力などを客観的に考えて、決して無理をなさらず、今の仕事が続けられるかどうかを冷静に鑑みて頂きたいです。

 

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